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ボカロ錬金術(β) 3.5.アタリを付ける(後編)

さて、しばらく間があいてしまいましたが、今回は実際にパラメータのアタリを付けていきましょう。

VoiceMechanism

※前回組み立てた理論に基づいて入力を行っています。
ボカロ錬金術(β) 3.アタリを付ける(前編)

※アタリ付けを適用したvsqファイル
renkin03.zip(約21KB)
Readmeを読んだうえで、宣言されている範囲内でしたらご自由にお使いください。

音声データ

※ボーカル音声にはローカットフィルタ(130hz)をかけている以外は一切EQ/エフェクト処理を行っていません。あえてリバーブもOffにしています。レベルフェーダも固定です。

上記リンク先(プレイヤーの下、曲タイトルをクリック)の「DL」ボタンからmp3ファイルをダウンロードできますので、よろしければ閲覧のお供にどうぞ。

Intoro (a,b)

a.「何があったって君だよ ~」(0:00~)
b.「笑われたって」(0:15~)

狙うは【a.=p(ピアノ)】から【b.=ff(フォルテシモ)】への切替えで始まる歌いだし。いきなりボカロ錬金術(β)の見せ所です。

パラメータ a b
DYN 71 66
BRE 68 2
BRI 38(-26) 61(-3)
CLE 37 1
OPE 64 88

まず、pを表現するために音量をBRIで削ります(BRIは特に64付近以下からは基音・倍音を激しく削りとる性質があり、結果として音量が下がります)。

倍音が削れた声には息ノイズが入り込む余地が生まれますので、BREとCLEを適宜上げて声のかすれを再現します(BREを上げるとさらに中音域が削れて音量が下がります)。自然なささやき声で歌うときは鼻から抜きながら歌うことが多いと思ったので、CLEは少し意識して高めに設定してみました。

b.に突入した途端にBRIを回復させます。ただし声帯に力みが入るフレーズですので、標準よりも微妙に値を下げています。力みをパワーで押し切るので、力んでいるわりには削れは少ない加減ですね。

BREとCLEも一気に0付近まで下げます。これは回復した声のパワーに息ノイズがかき消されていることを意味します。

入力中、この段階でa.からb.の音量差が大きすぎたため、a.側のDYNを少し上げてバランスを取りました。b.よりも高い値となっていますが、それでもBRIとBRE&CLEの効果により、”かすれた弱い感じ”はバッチリ残っていますね。また、通常でしたらb.はそれほど強く聞こえる設定ではないと思いますが、a.が弱いので相対的にb.が強く聞こえるのが面白いところです。後ほど力み特有の瞬間的な「しゃくり」などを加えてあげれば、このDYN設定でも十分にパワー感を表現できるでしょう。

このように、ToneとBreathの比率で強弱を作るボカロ錬金術(β)では、弱歌唱の場合の方がDYNが高い、というケースが頻繁に起こります。

1st Main A (c,d)

c.「遠くからずっと見ていたもの~」(0:34~)
d.「吸い寄せられて行くみたいに~」(0:56~)

パラメータ c d
DYN 47 50
BRE 15 2
BRI 57(-7) 64(±0)
CLE 12 3
OPE 63 71

Aメロです。前半(c.)と後半(d.)に分けたのは、後半は少しだけパワー感を上げてからBメロに入りたかったからです。

さてc.ですが、ここは力を抜いて自然に歌っている感じを出したいところ。DYNを気持ち低めに取りつつ、BRIは標準値に近い値を入力することで軽やかな発声を狙います。微妙にだけささやいて歌う弱い感じも残したかったので、BRE & CLEを少し上げてから、馴染ませるようにBRIの値を微調整します。

僕の個人的なイメージでは、軽いながらも声帯が効率よく震えている抜けの良い声と、スッと引くようなかすれた声の部分が交互に出てくる感じなのですが、今はそのために「アタリ」を付けている段階なので、あくまでも平均的にとらえて入力。基本的な雰囲気作りに徹します。

d.で音階が少し上に上がって感情がのるので、抜けの良さをしっかり出すためにかすれ具合をなくします。ただし、Intoroのようにスパッと切り替える場面ではないので、わざとらしくならない程度にとどめます。

1st Main B (e,f)

e.「ふわふわ不安に駆られ~」(1:07~)
f.「それは ないものねだりじゃなく」(1:19~)

Bメロ、歌詞に合わせて少し緊迫感のあるmp(メゾ・ピアノ)を演出してみましょう。

パラメータ e f
DYN 94 55
BRE 16 1
BRI 27(-37) 61(-3)
CLE 10 1
OPE 77 70

あえてDYNを高めに設定し、BRIでがっつり削り相殺します。こうすることで、かすれながらも子音がザクザクとピーキーな発音になり、息のスピード感があるささやき声が再現できます。
(まだ検証を行っていませんが、たぶんアクセントの値も影響してます。アクセントの強さを活かしつつ弱歌唱を再現できるのだとしたら、これは色々と応用もききそうですね。)

BREは上げ過ぎないように注意しました。単純にまだ使い方が下手なだけかもしれませんが、息ノイズが欲しいからといってBREを高くしすぎるとToneの勢いまで下がってしまう印象で、緊迫感の欲しいこの場面には向いてないと判断したからです。

また、Intoro(a.)と違ってひたすら口から発音する感じに近付けた方が、この場合はより緊迫感を出せそうだったので、CLEは抑えめに。

f.についてはアタリ付けのこの段階でわざわざ入力するかちょっと迷ったのですが、この後のサビの勢いを掴むために。実際にはクレッシェンドでf.につないで、サビへ突入する「タメ」をここで作る予定です。

1st Chorus (g)

g.「君の想いが 生まれたんだよ」(1:24~)

パラメータ g
DYN 67
BRE 17
BRI 59(-5)
CLE 12
OPE 90

サビまで来ました。出だしこそ勢いをつけるつもりではいますが、全体的には優しく語りかける感じが欲しいのでVoice中のBreath比率もある程度もたせる設定です。

もちろんこの設定では勢いの足りないところ、響きの暗すぎるところやその逆もたくさんあるのですが、「~素敵な鼓動だと思うか(ら)」や「~そのぬくもりが心だよ」などの部分は、それ以上に”オイシイ”感じです。もっともイメージに近いので、この響きを大切にしながら抑揚をつけていくことにしましょう。

また、感情も強めに入るしサビらしい華やかさも欲しいしなので、ここは当然OPEを高めにします。意識して口を大きく開ける歌い方ですね。

2nd Main A (h,i)

h.)「何があったって君だよ どこにだって~」(2:19~)
i.)「君の世界だ」(2:33~)

パラメータ h i
DYN 110 68
BRE 108 0
BRI 27(-37) 62(-2)
CLE 9 4
OPE 82 88

基本的にはIntoro(a.)の応用です。

裏拍中心の緊迫感あるドラムビート→重いフィルイン→シリアスなギターソロ、という流れを考慮すると、やはりここは張りつめたp(ピアノ)、その後に絞り出すような跳躍、という感じで歌わせたいところ。p表現についてはMain B(c.)のような打ち込み方でいいでしょう。i.のff(フォルテシモ)による跳躍はひとまずIntoro(b.)のようにしておいて、後ほどベンドなどをうまく使って粘りを表現することになります。

2nd Chorus (j,k)

j.)「時の流れは残酷なほど~」(2:52~)
k.)「君が描いて見つけた感情~」(3:42~)

メロディラインこそ1st Chorusと同じですが、シリアスなギターソロをブレイクで塞き止めた直後一気に開放するこの流れからは、より押しの強い歌い回しが要求されます。優しさよりも情熱を演出する方向でアタリをつけていくことにしてみましょう。

パラメータ j k
DYN 66 68
BRE 2 17
BRI 61(-3) 58(-6)
CLE 2 12
OPE 100 90

あまり力んでというよりは、のびやかに歌うイメージでしょうか。
DYNとBRIの値は1st Chorus(g.)とあまり変わっていませんが、Breath比率が小さいため声の勢いはかなり違いますね。

k.からは前のイメージに戻ってまた優しく語りかける感じでオチとします。

ここまでのまとめ

レベルフェーダも固定のままですが、声の強弱はきちんと再現しつつ、音量はあまりバラつきなく歌わせることができているのがおわかりいただけると思います。

これをDYNだけで強弱表現をおこなうと音量にかなりのバラつきが出るためDAWなどでフェーダのオートメーションを描いたりコンプレッサを挿したりする必要に迫られたりするわけですが、そうなるとミックス段階になるまでイメージとはかけ離れた状態のまま調声を行うハメになるわけです。
そういう意味では、BRIとBREで「弱く聞こえさせる」手法をとるボカロ錬金術(β)の利点は十分にありそうですね。

ただしBREが高い値になった時に低音が暴走しますので、ローカットフィルタ(ハイパスフィルタ)必須になってしまうわけですが、導入の敷居がちょっと高いところが難点です。ここは今後の課題ですね。

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