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音が音楽に変わる瞬間

「そもそも音楽ってなんなの?お前らなんでそんなに夢中になって作ってるの?」って訊かれたらなんて答えよう?…ふと思い、あらためてよく考えてみました。 そしたら、よくわかりませんでした。

音楽とは何でしょうか。
音の何か、であるには違いないのでしょうが、「音楽」と「音楽ではない音」の境界線はどこにあるのでしょうか。「音」はいつから「音楽」に変わるのでしょうか。そこで、今回はその謎を解くべくいくつか実験をおこなってみました。

音楽の元素

以前、「オーディオデータに含まれる情報」という記事で、オーディオデータには以下の5つの要素が記録される、と述べました。

  • 音の種類
  • 音量
  • 音程
  • 時間(長さ、タイミング)
  • 音の数はいくつでも
  • 音がこれらで成り立っている以上、音楽もそこから成り立っているはずです。
    では、この中でもっとも音楽を音楽たらしめているものはどれでしょうか?

    そこで、これらの要素一つだけで音楽が作れるかどうか実験してみました。

    実験方法
    可能な限り要素単独で抽出して検証するため、必要な場合以外は明確な音程のない打楽器を使用する。 また、要素ごとに数パターンまとめて収録するが、それぞれ独立して聞こえるよう、合間にナレーションを挟む。

    音の種類

    音量

    音程

    音の長さ

    音のタイミング

    音の数

    さて、いかがでしょうか。これらの中で音楽の響きを持っているものがありましたか?
    どれも壊滅的にダメですよね(爆)

    なぜでしょうか。

    時間が短すぎるから?
    「テスト/音の長さ」では、約2秒間鳴らしたパターンが存在します。それがダメなら「2秒間の音楽」というのは作れないということになります。

    和音(ハーモニー)じゃないから?
    単音を否定するなら、独奏曲(ア・カペラなど)は音楽として認めることができないことになります。

    要素を複数取り入れないと音楽になれない?
    確かに一見そのように思えるのですが、それだと例えば「コン、という短い一種類の音色を同時に一つだけ、同じ音量でしか鳴らせない打楽器」は単独では音楽を奏でられないことになります。

    そんなはずはないですよね。音楽に聞こえない原因は、どうやら違うところにありそうです。
    では、少し違う視点からこれらの要素をみてみましょう。

    基準と変化、音楽が生まれる瞬間

  • 音量を示す単位=db(デジベル)
  • 音程を示す単位=Hz(ヘルツ)
  • 時間を示す単位=sec(セカンド)、min(ミニット)など
  • 音量、音程、時間には物理的・絶対的な数値を示す単位があります。ですが、僕たち人間は普段、違う言葉でこれらを表現します。音量であれば「大きい/小さい」、音程は「高い/低い」、時間やタイミングも「長い/短い」「早い/遅い」と表現しますね。この大きいとか早いとかは、いったい何を基準に決まるのでしょうか。

    実は、そこにdbやHzといった絶対的な数値はほとんど関係なく、前の音や普段耳にしている音と比べてどうかという相対的な感覚によって僕たちはそれを表現しているんですね。つまり、同じ音でも前の音がどうかで真逆に表現されることもあり得る、とても流動的なものなのです。

    ここで先ほどの失敗テストをみてみましょう。

    「音のタイミング」を除くすべての要素テストでは、単発しか音が鳴っていません(「音の数」では2~5つの音が同時に鳴っていますが、人間の耳は同時に鳴った音をひとかたまりの音として捉える習性があります。たとえ聴覚では数種類の音色が鳴っていると判別できても、聴いた感覚としてはひとまとめに括ってしまうのです)。「音のタイミング」では例外として2発の音が鳴っていますが、タイミングとはある時間からある時間までの長さを意味するので、そういう視点でみれば時間という概念が単発で終わっています。「音の長さ」も音の鳴り始めから鳴り終わりまでの時間なので同様のことがいえますね。

    つまり、音程がなんであろうが音量がどれぐらいであろうが、ほかに比べるものが存在しない宙に浮いた状態=「音」ということなのではないでしょうか。

    比べるものを並べた瞬間、元の音は「基準」となり、2つを比べたときの差は「変化量」と呼ぶことができます。これを踏まえ、再びテストを行ってみましょう。

    音の種類

    音量

    音程

    音の長さ

    音のタイミング

    音の数

    いかがでしょう。要素に変化が生まれた瞬間、音楽の予感みたいなものが感じられるようになったと思いませんか?

    ただ、それが希薄な要素も中にはありますね。「音の種類」「音の数」は他に比べてあまり音楽らしい何かが生まれたような感じはしません(まったく、というわけでもななさそうですが)。仮に音の種類の変化が「音楽らしさ」にそれほど影響していないとすると、音の数がそうであることにも説明がつきそうです。前述したとおり、人間は同時に鳴った音をひとまとめに括ってしまう習性があります。なので、音の数が変化しても「あ、響き(音色)が変わったな」という程度の認識しかしないので、結果として音の種類と同じように感じるのでしょう。

    ともあれ、実際には「基準と変化」がいくつも横に並ぶことを考えると、音楽の本質とは特定の要素そのものではなく、「音の要素が変化していくこと」だといえるのではないでしょうか。であれば、音楽を作ることそのものは、けして難しくありません。そう、時間の流れに沿って音を変化させてあげればいいだけなのです。

    複数要素をバラバラに変化させた実験

    いかにも音楽な感じになりました!(※注:クオリティについて触れてはいけません

    音楽制作の魅力とは

    ここからが本題です。音楽を作る=時間の流れに沿って音を変化させるという単純な作業、それの一体何が楽しいのでしょうか。
    答えはシンプルです。”変化の組み合わせを何かにしたとき音楽はカッコよくなって、どうすればそうなるのか創意工夫して実現する”――自分のアクションが結果として返ってくる、というのがとても楽しいんですね。
    音楽制作の魅力

    個人的な感覚としてはゲームをプレイしてクリアするのとまったく同じです(笑)同じクリアするなら上手にカッコよく「俺スゲー!!」ってクリアしたくなりますよね。最初は下手くそでも、工夫して、経験を積んで、思い通りにできるようになればなるほど、すごく気持ちいい。音楽に限った話ではありませんが、創作にはそういう原初的な面白さがあふれている。だから一度その魅力を体感してしまうとやめられないのではないでしょうか。

    音楽を制作する環境は技術の進歩とともにより高度に、自由度高く、一方で複雑になりましたが、音楽を作るということの根源的な部分は何も変わっていないといえます。当連載では、この根源的な部分によりスポットをあてて、音楽を発想するためのヒント、既存の理論やソフトウェアなどの道具を使いこなすためのヒントとして役立つ情報を発信していきたいと思います。

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